罫線の引きすぎは見づらさを生む

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日本人は罫線が大好き

日本人は罫線が好きだなぁと常々感じます。そう感じるのは特にメモ帳です。
思いついたネタを書いたり、考えをまとめたり、忘れないようにメモを取る時につかうメモ帳。わたしも使っています。
職業柄なのか、図形やデザインを書き出す事があるのですが、その時に罫線が非常に厄介。
線が沢山引かれていると、その中に納めなくてはならない気になってしまい、思う様に書けない・・・なんてこともあったりします。
都度、罫線の引かれていないメモ帳を探すのですが、ほとんどには罫線が既に引かれていて、物によっては縦横に線が引かれ、細かなマス目になっている物もあります。

模造紙もそうですね。縦横に線が薄く入っていて、その線に沿えば用紙内へ綺麗に並べる事ができます。
小学生の頃、壁新聞やグループ活動の発表、夏休みの宿題などで大変お世話になりました。
ちなみに私共の新潟県では「大洋紙」と呼びます。 コレ、方言なんですね。どうりで大洋紙で検索しても出てこないわけです。

更にエクセルも似たような物かもしれませんね。
枠が用意されていて、その中に文字を入れていくと、簡単に端を整える事ができます。

これらの薄く引かれている線、綺麗に整った物を作る分にはとても効果的です。
それはパッと見た時に線が目立たないからです。
もしも罫線が薄く引かれていなかったら・・・一角ずつが黒い線で囲われていたとしたら・・・とても見ずらいですね。
程よい薄さで線が引かれていることがポイントです。

線の種類が多くなると線に注目が行ってしまう

大きな括りは太い線で、その中は細い線や点線を使うなど、様々な種類の「線」を使い分けてはいませんか?
例えばこんな感じ・・・



パッとみて、何が言いたいのか、何処をみたらいいのか迷います・・・

区切りを付ける為に線を引いていると思いますが、区切りは何も線だけではありません。
項目毎に間隔をあけて「空白」を作る事もまた、区切りを付けるのに有効です。

線を引く事は結果が良いか悪いかは置いておいて、視覚的な見やすさに影響する以外にも作成に必要な時間にも影響します。
たくさんの線を使い分けていくと、ルールに沿ってつけて行かなくてはなりません。どこか間違えてしまうと全体にも影響するので、この区切りはこの線!と決めて完璧に守らなければ、見た方が混乱しかねません。決めたルールに沿って間違えないように確認したり、線を引く毎に操作して形を整えていかなければならないので、かなり時間を使う作業です。
さらに線に沿う様に配置しなければならないと思って、配置に時間がかかってしまうこともあるでしょうし、修正や追加をする時の作り直し作業も時間が沢山かかってしまいます。

見やすくしよう!!と思って始めたはずが、気が付いたら線を使い分ける事に一生懸命になってしまった結果、よくわからない物になってしまったり、見てほしい部分が目立たなくなってしまう、目にとまらない、修正・追加に時間が沢山かかってしまった。なんて事も。

デザインは引き算が基本

デザインをするとなると、情報を足して、装飾を盛って・・・という作業を想像するかと思いますが、実は逆です。
あれもこれも伝えたい~という沢山の想いを整理して、情報に優先順を持たせていく作業なのです。
情報を全て載せる方がリッチなコンテンツで、相手の為になる物になると思われがちですが、掲載されている情報が多すぎると逆に混乱してしまいます。
そうならないように優先順の低い物は削ってしまったり、一番に伝えたい事とは関係の無い部分を思い切って削除したりする事がデザイン作業の大半です。

発信者する側からすれば、全ての情報が最優先・重要な物だと考えますが、伝えられる側からすれば、順序立てて今必要な情報だけにしてあげた方が読み取りやすくなります。この案件で伝えるべき事柄は何か?を考えて、その伝えるべき事に絞った物にしてあげた方が、ストレートに届きますよね。
他にもアレもコレも!全部!!となる場合は、全く異なる物の場合、他に作ったっていいわけです。

目指すのは最適な品質

時間やソフトの機能を沢山使って作り上げた物が最適な品質とは限りません。
場合によっては過剰品質となってしまい、わけがわからない物や、伝えたい事がぼやけてしまう事だってあります。

盛りに盛ったてんこ盛りよりも、程よく肉付けされた適性品質を目指した方が、制作者も作業時間が短くなったり、資料を読む側も短い時間で把握出来る・きちんと伝わるなどメリットが多い事に気が付きます。

資料を見て、視覚にあまりにも多くの情報が飛び込んでくるとびっくりしてしまいます。
見栄えの為だけの線も情報の一つです。一度に飛び込んでくる情報量を削り、スッキリさせる事でクオリティも見栄えも向上します。
何を伝えるべきか?それを伝える為にこの情報は必要か?とシンプルに考えると良い結果になるのではないでしょうか。
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