ASPカートとはショッピングカートの機能を提供するシステム
ネットショップに欠かす事のできない「ショッピングカート」の機能を提供するシステムの事をASPカートといいます。
ちなみにASPとは「アプリ・サービス・プロバイダ」の略です。
ショッピングカートの機能に加えてホームページ作成機能も付随していることが多く、1つ契約をするだけでネットショップそのものを構築する事ができます。
決済や商品・在庫管理などのカートシステムはもちろん、ホームページをゼロから作るとすると、専門の知識が必要になります。
またすべてを揃えて完全に動作するまでには時間も費用もかかります。
そこで企業が提供している「ASPカート」というシステムをレンタルする事で、初期導入の費用を抑えたり、初心者でも開業・運営を容易にできるというワケなのです。
サービスをレンタルするので月々の利用料が発生しますが、常にシステムを最新の状態に保てたり、サーバー保守やメンテナンスなどに時間を取られないというメリットがあります。
調べると様々なASPカートが存在し、どれを使ったらいいのか迷ってしまいます。
どれも一長一短あるので、どのシステムが自分にとって使い勝手がいいかわかりにくいですね。
全部を契約して試していければいいのかもしれませんが、費用が掛かったり、カスタマイズや設定、商品登録などに時間がかかるので、なかなか簡単にはいきません。
ブログみたいに、簡単にコンバートする機能があればいいのに!と常々思いますが、それぞれの企業でそれぞれがベストと思うシステムを作っているので、そもそもの仕組みが違うから仕方がないのかもしれませんね。
それでは選ぶ時に決めてとなる要素を紹介していきます。
参考にしてみるといいかもしれません。
選ぶポイント
スマートフォンに対応しているか
スマートフォンが普及した現代では、スマートフォンで快適に見る事の出来る環境が整っていることは重要です。
忙しい中や、移動時間など、手軽に手元の端末で商品の閲覧や購入を済ませる人が増えています。
以前はフィーチャーフォン(ガラケー)では決済する事ができなかったり、セキュリティ面で不安があったのでパソコンで決済していました。
ですがスマートフォンになり、セキュリティ面での不安の軽減や、暗号化通信技術(SSL)が広まったこともあり、より手軽に便利にネットショッピングが楽しめるようになりました。
スマートフォンでの閲覧に対応しているかどうかは、まずチェックすべきポイントでしょう。
対応している決済機能
購入者が求める決済方法はひとつではありません。それぞれの状況によって、「この決済方法がいい」と思っている物は違います。
なので幅広い選択肢がある方が親切ですね。
クレジットカードに対応していればいいんじゃないの?と思うかもしれませんが、クレジットカードを持っていない方も意外と多いものです。
海外ではPayPal(ペイパル)が人気のようですね。日本ではあまり知られていないサービスですが、クレジットカードの登録先を一か所にして、対応しているカートで登録など無しに決済できるので、便利そうです。
また、代引き決済は一人暮らしをしている女性の場合、自宅へ配達員が来た時にドアを開けるのに抵抗感のある方が多い決済方法です。
また一人暮らしという理由以外にも、アンチエイジングの化粧品などは誰かに見られたくない傾向が高く、購入しようと思っている商品によっては代引き以外の決済方法を選択されるかもしれません。
カスタマイズする事ができるか
ネットショップを運営していくと、シーズン毎にバナーを作って設置したり、特定の箇所にコンテンツを追加したり。
またオリジナルのデザインを設定する事ができるかは重要なポイントです。
ASPカートはシステムを買い取って運用する「パッケージ型」と比べるとカスタマイズする事のできる部分が限られますが、その中でも自由度の高いものを選ぶ事で、後々に出てくる要望にも柔軟に対応できます。
またオリジナルのデザインを設定できれば、カート毎に差別化ができますし、ブランディングにもなります。
カートの維持費
ASPカートは初期費用が安く抑えられるものの、使い続けるには固定費がかかります。
売り上げの少ない時でもそれは変わりませんので、運用し続けて経営の負担にならないかを長期視点で考慮する必要があります。
またネットショップの運営にはASPカートの費用だけではなく、決済方法によっては別に費用が掛かる場合もありますし、ショップの運営・管理にも時間というコストが発生します。
ショップの運営の予算をあらかじめ決めて、その中から適切な費用を検討するといいかもしれません。
カートは一度解約すると、登録しておいた商品情報やカスタマイズした内容、会員登録した方の情報などが消えてしまうので、使わない時期だけ解約して、使う時期になったら再度契約・・・みたいなことは運用上よろしくありません。
また、検索エンジンにもそんなにすぐに出したり消したりできないので、カートを出したり下ろしたりを繰り返すメリットもありません
独自ドメインを設定できるか
ドメインについても注目すべきポイントです。
ASPカートによっては、そのサービスのドメインの後ろにカートの名称やIDが入る場合が多くあります。
例えばこんな感じ
「https://attend-asp.com/yourcart/」(yourcartの部分がカートの名称にあたります)
これでも運用上は問題なく使えますが、自社とは異なる社名が入ったりしているのはあまりいい印象がありません。
もしこうなっていると、画面上は「〇〇商店」と出ているのに、URLを確認すると「attend」と入っているので、どこが運営しているのか不安になります。
独自ドメインを設定した方が、顧客には安心や信頼感を与える事ができるので、独自ドメインを設定できるかどうかは、ぜひ確認すべきポイントです。
まとめ
完全に独自のカートシステムを構築するとなると、多額の費用が発生します。
そこからサーバーの利用料金や保守メンテ、ドメインの維持やSSL証明書の発行・更新、カートの運用など、カートの運用には固定費が必要になるので、必ず売れるという見込みがなければ独自のシステムを構築してのカート導入は難しいものです。
なのでまずは比較的コストを抑えられるASPカートでの運営開始をした方がリスクは抑えられるでしょう。
また、既に様々なASPカートがあり、サービスの提供から年月を重ねるにつれて改善されている事もあるので、使用感はかなり満足のできる物が多くあります。
Web業界はまだまだ発展途上です。数年前まではスマートフォンもこれほど普及していませんでしたが、現代では多くの人が持っています。
こうした状況にも自社で開発にかかる費用をかけずに済むのも、ASPカートの魅力でしょう。
これから先もインターネットへ接続することのできる機器や、通信の仕組みは変化していくはずです。
現に通信の方法はhttpからより信頼度の高いhttpsへ変化しています。ASPカートもこれらの変化に敏感に対応してくれています。
今後の変化にも柔軟に対応してくれるASPカートは魅力的なサービスですが、様々な種類の多いサービスでもあります。
どれが自身にとって適切なのかを考え、判断する材料になれば幸いです。