雰囲気を真似する
Webサイトでもチラシでも雑誌でも、作ろうと思った時に「あんな風にしたい」「あの雰囲気がいい」と思う事はあると思います。
そうした時にどうやったら似たような雰囲気が出るのかで困ってしまいますね。
とりあえずレイアウトと配色を完全に同じにして、どうしたら似たような雰囲気が出るのかを探ると思います。
そして自前の写真をあてはめてみたら「アレ?何か違う」「コレジャナイ」という事はよくありますし、完全に同一にしてしまったらそれはそれで公開すると様々な方向からバッシングを浴びるかもしれません。
真似をする時に注意したいのが、レイアウトや配色を真似するのではなく、雰囲気を真似するように考える事です。
「どうしてコレは〇〇な雰囲気が出るのだろう?」「どうやったらこんな感じに仕上がるのだろう」「どうしてコレはオシャレに見えるのだろう?」「どこがカッコよさを醸し出しているのだろう?」など、こういった「何故」「どこで」を大切にしながら、何にインスピレーションを受けているのか、どこに魅力を感じているのかを探すようにすることが大切です。
モチーフや手法を真似するのではなく、根源にあるコンセプトを観察する事です。
パッと見た時に「コレ!すごくいい!!」と思う物があったとして、その物にはターゲットとする人やコンセプトが必ずあります。
そのコンセプトに向かって必要な物をきちんと表現出来ていたり、余計な情報を削ぎ落して洗練されているから良く見えますし、相手に届くデザインができています。
表面的な見た目だけを気にして真似をしても、同じような雰囲気が出ないのはここにあります。
何故この人はこういう表現をしたのだろうか?この色を使ったのだろうか?といったように、細かく見ていく事で、こういう風にしたらオシャレに見えるとか、カッコよく見えるという表現や手法を獲得していく事ができます。
根本をきちんと理解して、そこに自身の考えを足してよくしていく事が大事です。
できるようになるにはお手本が必要
新しく何かをできるようになるには、お手本となる物が必要です。
漢字を覚えるぞ!と思っても、覚えるべき漢字の形や書き順が全く分からなければ何も覚える事ができないのと同じで、デザインをするとか狙った雰囲気を出すとか、そういう時にもお手本となる物が必要になってきます。
まずは真似をしてみて、バランスのとり方とか文字サイズの感覚などをつかんでいって、そこから出来るようになっていくものです。
ただし度が過ぎると、パクリとか盗作と思われてしまうので注意が必要です。
あくまでお手本なので、そこに自身の考えや案件毎の要件をつけ足して、独自性を持たせていく必要があります。
見た目を真似するのではなく、感覚的な物を真似する
「よく見える」「オシャレに見える」こういう自信の感覚に訴えてくる根本となる物を見つけて、それを真似するようにしていきます。
そうする事で、他にも応用が利くようになったり、扱う題材が変わっても対応できるようになります。
なかなか難しい物ですが、訓練しなければ出来る様にならないので、気が付いた時から注意するようにしていきましょう。
デザインの考え方は本当に色々な物にも応用できます。
綺麗に整ったロゴや美しいポスター、カッコいいWebサイトをを作ることがデザインと思われることがよくありますが、それはデザインのすべてではありません。ほんの一面にすぎないのです。
デザインを日本語に訳すと「設計・計画・意匠」という意味になります。
つまり、課題や目標など、目に見えない形のないものを整理して解決策を探り、組み立てて目に見える形や耳に聞こえる形に出力する。
それが「デザイン」の本質です。そう考えると、様々な事に応用が出来ることに気が付きますよね。
義務教育にはアート(美術)の授業はあっても、デザインの授業は無かったりします・・・
ダンスも義務教育に取り入れられるようになってしばらく経ちますが、今後デザインも義務教育に取り入れられる日がくるのかもしれませんね。