もしかして「クリック」ではなく「タップ」?
この頃スマートフォンに対応したホームページの制作が必須となりつつあります。 それは閲覧者の多くがホームページを見る端末を、パソコンからスマートフォンへと移っているからです。手軽に持ち運べて、起動の手間もほとんど必要としないので、思いついた時にすぐに利用する事ができます。
また通信速度も各段に早くなりましたし、Wi-Fiに接続できれば更に快適にインターネットが利用できるので、慣れると非常に便利で快適です。
私自身も、自宅ではパソコンを起動してホームページを見る…という事が非常に少なくなりました。
そんな中、リンクバナーを代表とする各種ボタンの中に記述する文言について、疑問に思う事があります。
それは「クリック」という文言です。
マウス操作をする時に行うクリックですが、一般的なスマートフォンではクリック操作はできません。
外部マウスを接続すればできますが、そこまでのコアなユーザーは少ないでしょう。
クリックの操作はスマートフォンでは「タップ」にあたります。
作り手からすると意味合いが同じに取れるのですが、はたから見た時にどう見えるのかが気になりました。
恐らく「クリックなんてできないよー(笑)」みたいな風に捉えられるのかなと思います。
Webサイト上では「ご注文はこちらをクリック」とか、「お問い合わせの方はいますぐこちらをクリック」という風に使われていますし、私もよく使う表現です。
ですが、ボタンを見た時にどの操作をしたらいいのかわからない。という風に思われてしまう事も多いのかなと考えると、文言一つをとってみても、どうしたら誤解が少なくなるのか、理解してもらえる文章表現はどのような物かを考えて、選択していくと、より使い勝手がよくなるのだと思います。
コンテンツに掲載されている情報とは直接関係しない事で「これはどういう意味だろう?操作は?」といった余分な情報について閲覧者が考えたり悩んだりする事が減らせると、一番見て考えて欲しいメインとなるコンテンツへ集中してもらいやすくなります。
一般的に使われている言葉を選ぶ
スマートフォン操作の「タップ」「スワイプ」「ピンチイン・アウト」などの名称がありますが、どこまで一般的に使われているのかも疑問です。直感的な操作ができるだけあって、普段から行っている操作にはどういった名称がついているのか、どういった言葉で呼ばれているのかを知らない方も多いのかもしれません。
触れると反応してページが移動する。
続きを見たいから指でなぞると移動する。
拡大したいから指で広げようとすると拡大できる。
これらの操作に対して、スワイプして~ピンチインして~と話してみても、伝わらない場面も多いように思います。
例にあげたスマートフォンの操作名称以外でも、業種間で使われる用語であったり、勝手に作り出した略語、仲間内だけで流行っている表現なども同様です。
面白いからとか、この方が短い文章で済むから、という理由から言葉を選ぶと、相手へ正しく伝わらないか、わからない物になります。
文章を読む相手は友達でも家族でもない第三者の場合がほとんどですので、一般的に使われている表現を心掛ける、略称を使わずに正式名称を使う、略称を使う場合は冒頭へ括弧書きにして補足するというフォローは必須でしょう。
相手に合わせて言葉の選択をする
どういう表現が最適なのか、わかりやすいのかを都度考え、表現方法を選択していく事で、より質の高いコンテンツとなるのではないかと思うので、いつも使っているから~とか、古くから使われているから~という理由から言葉を選ぶのではなく、自身のWebサイトを見てもらいたいと思っている客層を考え、どういう言葉だとわかるかな?と相手目線で言葉の選択をする事も重要です。見てもらいたいと思っている相手がスマートフォン操作に長けている方なのであれば、タップ・スワイプといった言葉で表現しないと、こんな事も書いていないのか!と捉えられてしまい、扱っている情報の質を疑われる事につながりかねません。
相手の知識や意識が違えば、自ずと最適な言葉遣いが変わります。
自分は今、誰に向かって話しているのだろうか?と想像してみると、どの言葉を選択するのかを決める判断基準となるのではないでしょうか。
直接言葉にして発する場合は、一度話したら取り消す事ができませんが、文面であれば何度も見直して考えたり、反応があまりよくなかった場合であれば差し替えができるので、どの表現が最適なのかを探ってみてもいいかもしれません。