他のページへ遷移させる時にでるアラートについて
「ページを離れますか?行った変更が保存されない可能性があります。」このメッセージを見た事のある方も多いのではないでしょうか。
このアラート表示は、メールフォームなどの入力途中に誤操作をしてしまって違うページへ戻ってしまい、途中まで入力した内容が消えてしまう・・・という事を防ぐ為に有効な手段の一つです。
記事の作成を行っている時には、不意にボタンを押してしまうなどのページ遷移が起きる事があります。
その時にこのアラートが出たおかげで、時間をかけて書いた記事が無くなる・・・という不幸な出来事が減らせるので非常に助かった記憶が多くあるので有効だと思っていました。
なので、メールフォームなどの入力項目があるページからの遷移に対して、このアラートを出そうかなと思っていたのですが、検索するとかなりネガティブなワードが出てきたので、これはあまり印象が良くないのではないかと考えなおすこととなりました。
ボタンは操作した通りの動作ができなければならない
ページを移動したい・戻りたい・閉じたい。という様々な「したい」という意思があって操作を行った場合、素直に動作しないとストレスになると思います。ボタン操作を妨げてしまうと、面倒だなとか、おかしいなといったような、よくない印象にしかなりません。
続きを見たいから「続きをみる」ボタンを押したり、閉じて違うページを見にいきたいから「閉じる」ボタンを押すので、ボタンを押そうと考えている時点で既に他の事へ意識が向いている状態になっている事がわかるかと思います。
その時に無理に引き留められる形になるとどうでしょう。大半が不快に感じるのではないでしょうか。
制作者側からすると、メールフォームの入力途中に誤操作を行った際の確認として表示させ、間違いを減らそうという親切心である場合がほとんどですが、操作をしている側からすると、どうして思った通りに動作しないのか?という疑問や、したいと思っている動作を行う為に追加で操作が必要となる事でストレスを感じます。
ワンテンポ遅くなってしまい、快適にWebサイトを閲覧する事は難しくなるでしょう。
こうした積み重ねで、サイト全体のイメージダウンにもつながりかねません。
なので一般的なWebサイトには不向きな機能なのだと思います。
記事を更新したり入力が重要視される場合には有効
逆に有効なケースはと考えると、ブログなどの更新を行うページでは役立つ機会は多いように思います。情報の入力中に誤ってページが移動した…という経験を持つ方も多いのではないでしょうか。
キーボードやマウス操作によってコンテンツを編集したり、メッセージを作成したりといった場合には、不意な操作が予想されます。
そういう場合にはこのページ遷移をした時に確認を促すアラートは有効です。
私自身、記事を保存する前に誤って違うページへ移動してしまったり、別タブで開くリンクだと思っていたら、記事作成のページが他のページへ移動してしまう…という事が何度もあります。
その際にアラート表示がある事で「保存したかな」とか、「あぶない!」と留まる事ができました。
時間をかけて作った記事が無事に完成を迎える事ができた経験が何度かあります。
ブログなどの記事入力が重要視されるWebサイトでは非常に有効な手法なのだと思います。
利用者に沿った機能を持たせる
ページを離れる時にアラートを表示する方法は、使う場所によっては非常に有効です。とても便利だな・ありがたい機能だなと感じる事もあります。
だからといって様々な場所に設置しよう。というのは少し待ってください。便利だと感じるものが、どこにでも役立つものであるとは限りません。
例えばメールフォームの入力途中・注文サイトでの操作途中に離脱してしまう事を防ぐ有効な手段になるのではないか?と考えたとします。
ですがそれは恐らく悪手です。
というのも、操作途中で離脱しよう・やっぱりやめようと考えた方は、やめようと思った時点で気持ちは既に離れてしまっているので、そこを無理に引き留めた所で帰ってきてはくれないでしょう。
どうして途中でやめてしまったのだろう?と考えて、仕組みが複雑だと思うのであれば簡素にしたり、説明がわかりにくいのかもしれないと思うのであればわかりやすい文言に変えてみるなど、離脱してしまう理由を探して改善・検証する方がよほど生産的だと思いませんか?
ある場面では驚くほど効果的で素晴らしい機能でも、使いどころを間違えてしまうと効果が全く出ない事も中にはあります。
効果がないだけならまだしも、マイナスを生み出してしまう事さえあります。
どんなに素晴らしい機能だったとしても、利用者の気持ちに沿って「使いやすい」と感じてもらえなければ意味がありません。
この機能を持たせる事で、快適にWebサイトを閲覧できるようになるのか?操作性が良くなるのか?逆に不便ではないか?
などなど、利用者目線で考えてみると、様々な事に気が付くと思います。
すごく良い機能だから、たくさん使おう!紹介しよう!!という気持ちもわかりますが、何も考えないでどこでも重宝される機能なのか?と考えるとそうでもない事も中にはあるので、本当に必要な機能だろうか?と一度立ち止まって考えてみる時間というのも必要なのではないでしょうか。