ホームページ制作現場の新たなパートナー
ここ数年で生成AIに関するニュースを多く見聞きするようになりましたね。文章の生成はもちろん、イラストや動画も見事に生成してくれるようになりました。
音楽の作曲もしてくれるそうですね。本当にAI技術の進歩は早いと感じます。
技術的な知識が必要とされる現場でも、AIの活用が検討され、サービスの向上に活用する方法が模索されています。
Web制作の現場でも例外ではありません。
普段目にする企業サイトやショップのホームページは、HTMLやCSSといった文字情報を使って構築し、表現されています。
文章生成ができるAIと、Web制作は相性が抜群なのです。
Web制作の現場では、「GitHub Copilot(ギットハブ・コパイロット)」というAIが制作の質とスピードを大きく変えつつあります。

VSCodeと組み合わせて使えるGitHub Copilot
GitHub CopilotはWebサイトを作成する際に使われる、VSCodeというテキストエディタと組み合わせて使う事ができるAIです。Copilot(コパイロット)は副操縦士という意味を持ち、作業を支援してくれるアシスタントのような存在です。
アシスタントという事から想像されるように、AIが勝手にホームページを作ってくれるわけではありません。
制作者が主体となって、AIが細かな動作を補助してくれる機能です。
制作中に次に書くべきHTMLやCSSなどのコードを予測して、提案してくれるという仕組みになっていて、ちょうど、スマートフォンなどの文字入力で予測変換が表示されるようなイメージです。
これによって制作者が迷う時間が減り、スムーズに入力することができるようになり、よりスピーディーに構築が進められます。
AIを活用する事で制作物の品質が向上します
ここで気になるのが、「AIに頼ったら手抜きになるのでは?」という不安かもしれません。でも実は、その逆です。
これまで制作者は、目には見えない部分に膨大な時間と労力をかけていました。
例えば、ボタンを押した時の動きや、パソコン・スマートフォンで見やすいレイアウトの調整、セキュリティ対策、読みやすい文章配置などなど…
これらは細かな設定を施して制御されていて、ミスが無いように、正常に動作するように、細心の注意と、根気強い作業が必要です。
何度も作ってみて試して、不具合が起きている箇所を確認して、不具合に対する対策を考えて試して…と、手順が多くなりがちな作業が多く発生します。
こうした定型的で繰り返しの多い作業や、様々な解決案についての提案を、GitHub CopilotというAIに手伝ってもらうことで、制作者が本来注力すべきデザインや使いやすさ、配色の工夫に集中できるようになります。
AIを活用する事で、結果として質の高いホームページ制作が生まれやすくなります。
“より良い”ホームページづくりをAIが支える、制作の未来像
AIが専門職の中で共に働く存在になる。この流れは今後更に加速し、広がっていくと考えられます。人間が考えるスピードをAIは遥かに超えていくので、AIを活用する事で試行回数を増やす事ができ、サービス全体の品質向上が期待できるからです。
ホームページ制作の現場においても、AIを活用する事でこれまでよりもずっと短時間で、しかもより閲覧者に配慮された物になる可能性があります。
たとえば、視覚障がいを持つ方でも利用しやすいサイト設計、言語を自動で切り替える多言語対応、アクセスの多い時間帯に最適化された表示など、人間だけでは手が回りづらかった部分にもAIの手が届くようになるかもしれません。
ただし、それを支えるのは、あくまで人間の感性や経験です。AIはあくまで「道具」であり、その道具をどう使うか、最終的にどう仕上げるかは制作者の腕にかかっています。
GitHub CopilotとVSCodeの組み合わせにより、Web制作・ホームページ制作の現場は、今まさに進化の真っ只中にあります。
しかしそれは、「人間の仕事がAIに取って代わられる」という話ではありません。むしろ、人間が本来持つクリエイティビティがもっと重要視される時代が来ているということです。
ホームページを見る側にとっても、より見やすく、使いやすく、心地よい体験が提供されるようになる。そんな“未来のWeb体験”は、AIと制作者の協働から生まれているのです。