Webデザインをする時にHTMLの事を考えては、いいデザインはできません。
どうやったら構築できるかな?と心配になったり、ルールがあったりしますが、それらの制限があることで無難な物や不十分な物が出来上がる場合がほとんどだからです。
もちろん、Webサイトを作って運用するためにはHTMLとCSS、JavaScriptなどで再現できなければなりませんが、それは最終的な出力の形の問題です。
出力の形よりも、機能や設計の問題・・・どうしたらデザインに求められる結果を得られるのか?という部分が一番重要です。
ここを間違えてしまっていては、いくら綺麗にHTMLで構築できても意味がありません。
HTMLやCSSの丁寧さや正確性は、Webページのデザインをブラウザで再現するために必須です。思った通りに再現され、正しく機能しなければ、Webサイトとは呼べないでしょう。
ですが問い合わせや受注など、Webをデザインして得たい結果を得るために重要な部分は、HTMLではなくデザインです。
出発地点が間違えていては、ゴールにたどり着くのに時間がかかりますよね?
新潟を出発して、北海道に向かいたいのに、東に向かって進んでもたどり着けません。
スタートとなるデザインの初期段階では、HTMLとかルールとか・・・そういう部分は一旦置いておいて、どうしたら良くなるのか、どうしたら良い表現ができるのかを突き詰めていく事が大事なんです。
ゴールにたどり着くまでにどういう経路で進みたいのか、途中で立ち寄りたいところはどこかなど、旅行のプランを立てるのと一緒です。下調べや準備の期間がこれにあたります。
但しデザインを起こす段階でHTMLの事を考えないのは、型破り的な手法になります。型を破るには、まず型を知らなければなりません。
Webデザインをする為には、HTMLやルールを正しく理解できてからです。
グラフィック制作ソフトが使える・紙面デザインができるからWebデザインもできるという図式にはなりません。
HTMLやルールを知り、知識を得て理解した上で、デザインをする時には一旦横に置く・・・こうしてみると新しい手法や組み合わせが見つかるかもしれません。
「発想を得る、デザインの切り口を見つける、コンセプトを決める」こうしたデザインの初期段階では、HTMLの知識は不要です。
どんなWebサイトだとデザインに求められる結果が得られるか、効果が上がるのかを想像する時にこうした知識は邪魔でしかありません。
「○○でなければならない」という事はないので、「こうだったらいいのに」とか「こうしたら良くなりそう」という着想は自由です。
Webサイトという制約はありますが、この時に横幅は1000pxで・・・とか1ページ2MB以内に抑えて・・・とか、そういう細かい事を考え出すと、その枠の中でしかデザインができません。
デザインのアイデアが出て、手書きでもなんでも「こういうデザインにしたい」という物を紙や画面に出力してからが、Webの知識の出番です。
Webの知識のないまま作られたデザインは、HTMLで表現できなくなってしまいがちなんです。
いくら優れたデザインで、すばらしいグラフィックが出来上がっても、HTMLとCSSで表現できなければ正しく運用できません。なのでデザインを確定させる前に必ずHTML化する方法についての検討も必要です。
「こんなデザインにしたいけれど、実現できるかな」という視点を持って、実際のWebサイトのデザインを起こし、詰めていきましょう。
コードを書く人が別であれば、事前の打ち合わせは重要です。
できると思って進めていき、デザインも確定したけれどWebサイトにできない!なんてことなったら目も当てられません・・・
あくまでもデザインの着想を得る段階での話なので、その点にはご注意ください。
但しこれは知識がすでにある方向けの方法です。
これからWebデザインをしようと思っている方は、まずは横幅1000pxで・・・とか、ここに横幅300pxの画像を3つ並べて・・・とか、左と右に2カラムにして左は230pxで右は720px・・・とか、大枠をしっかり決めてからかかるようにしてみてくださいね。
全く制限がないと自由過ぎて戸惑う事もあると思います。何かを作り始める時には、ある程度の制約や制限のあるほうが、着手しやすくなりますので、初心者の方は制限を決めてから始めてみてください。