ファイル容量の大きな画像を沢山使う事で起こる弊害
特殊な書体やイメージ写真など、画像を沢山配置する事でより効果的に表現する事が出来るケースは多くあります。
なので出来れば画像を沢山使って、ハデなWebサイトにしたくなります。
ですがそれには弊害がいくつかあります。
1.検索に重要なテキストが減る
どんなに画像へ文字情報が沢山書かれていても、検索ロボットはそれを知る手段がありません。
唯一、img要素のalt属性に入力されるテキストを検知するくらいです。
画像の中に沢山の情報が掲載されているのに、検索ロボットからすれば何が書かれているかわからない画像ばかりが設置されていて、内容が薄く見えてしまうでしょう。
そうなれば検索結果で上位を狙うのも難しくなります。
2.ページの表示に時間がかかる
画像ファイルはファイル容量が大きくなりがちです。
画像の縦横サイズなどによっても左右され、ほぼ無限にファイル容量を上げていく事ができるでしょう。
例えば1ページ内に40kBの画像を100点掲載すれば4000kBの通信が発生します。
ページの表示には画像ファイルだけでなく、HTMLやCSS、JavaScriptなどの様々なファイルを読み込んで構成されています。
読み込むファイルの容量が増えれば増えるほど、表示に時間がかかってしまいます。
時間がかかっても、すべてが表示されるまで待ってくれるとは限りません。
もし自分が調べものをしていて、Webサイトを表示しようとしたとき、何秒待てますか?
ある調べによると、多くの人が2秒でイライラし始め、待てても3秒くらいまでだそうです。
なんてせっかちさんなんでしょう・・・
ここ数年で通信速度の向上もあり、かなり高速でデータの受け渡しができるようになりました。
こうした技術の発展に伴って、表示されるまでにかかる時間への要求も高まるのかもしれませんね。
画像ファイルを多用すると、全体を表示するまでにかかる時間が多くなります。
その間に何人かがギブアップし、別のサイトに移ってしまうのはとてももったいない事です。
3.キャッシュに残ってしまい、古いファイルを見る人が出てくる
ブラウザには「キャッシュ」という機能があります。
ファイル容量の大きなファイルを自身のパソコンへ一時保存しておくことで、次回のアクセス時にファイルの再ダウンロードをせずに保存しておいたファイルを開く事で、より高速にページを表示させるための機能です。
ですがこれが意外と曲者です。
Webサイトに掲載している画像ファイルを更新して、ファイル名を同名にして再アップしたとしても、ファイル名称が同じなので更新されている事がわからず、パソコン内に保存されている古いファイルを表示してしまう場合があります。
更新したハズなのに、古い情報を見られていては意味がありませんね。
これを防ぐにはファイル名を変えたりする必要があるのですが、それも面倒です。
もしも1箇所にしか使っていないファイルであればそれほど作業時間はかかりませんが、複数のページに設置してある場合、作業ボリュームが膨れ上がってしまいます。
4.レスポンシブサイトには不向き
タブレットやスマートフォンでの表示も想定するレスポンシブサイトでは、画像の多用は不向きです。
スマートフォンの画面幅は狭いもので320pxです。そんな小さな画面で全体を見えるようにするには、画像を縮小するしかありません。
画像を縮小するということは、そこに掲載されている文字の大きさも比例して小さくなります。
つまり小さな文字はより小さくなってしまい、読むことができなくなるかもしれないんです。
折角画像にして見栄えのするページを作ったのに、そこに掲載されている情報を人間が読み取れなければ作った意味がありません。
まとめ
画像を沢山使って、ハデで見栄えのするページを作りたいと多くの人が思っています。
ですがそこには「検索ロボットが画像内の文字情報を認識できない」「ページの表示に時間がかかってしまい、見てもらえる機会が減るかもしれない」「スマートフォンで見た時に文字が読み取れない」などの弊害も起こってしまう事を十分に理解しておく必要があります。
この記事を書いている途中で、Googleが画像の文字を認識する技術を開発したという情報を見つけました。
より快適な環境を整える為に様々な機能が研究・開発されています。データ通信の速度も向上していくでしょう。
ですが1ページを表示するのに必要なファイル容量は、少なければより高速で表示する事ができます。
通信回線の速度がより高速になったからといって、画像を多用できると喜ぶのではなく、どうしたら画像の使用と表示までにかかる時間のバランスが取れているのか?を考えるようにした方がいいのかもしれません。